2015年 06月 01日
あれ?初月給が想定より少ない?(2)
マイアドバイザー®jp登録ファイナンシャルプランナーの田中尚実です。
新人さんが4月にもらった初月給が想定より少なかったのは、
額面金額から様々なものが引かれているため。
前回は引かれている税金について解説しました。
→あれ?初月給が想定より少ない?(1)
今回は月給から引かれる社会保険料について解説しましょう。
厚生年金保険料・健康保険料
会社員の皆さんが毎月負担する厚生年金保険料と健康保険料は、
標準報酬月額×保険料率で計算されます。
標準報酬月額というのは、4月、5月、6月の平均月給を
(ここには通勤手当や残業代も含みます)
標準報酬月額等級区分というものにあてはめて決まります。
例えば、平均月給が195,000円以上210,000円未満の標準報酬月額は
200,000円といった具合です。
標準報酬月額は、毎年7月に計算し直し(これを定時決定といいます)、
原則としてその年の9月から翌年の8月までの1年間適用されます。
ただし、昇給・降給などで給与額が大幅に変わった場合などは、
その都度改定が行われます(随時改定)。
新入社員の場合は、給与の支払い実績がないので、入社時に
これから受けるであろう給与の額で算定します(資格取得時決定)。
さて、計算のベースとなる金額について理解いただいたところで、
保険料率についてです。
厚生年金保険料率は、現在17.474%です。これを労使で折半し負担します。
例えば標準報酬月額200,000円の人の給与から引かれる本人負担額は、
17,474円です。
健康保険料率は、皆さんの加入している健康保険組合などによって
違いますし、労使の負担割合も様々です。
例えば、全国健康保険協会の東京都の保険料率は9.97%で労使折半です。
標準報酬月額200,000円の人の給与から引かれる本人負担額は、
9,970円となります。
ちなみに、40歳になると介護保険の被保険者となりますので、
介護保険料も給与から引かれるようになります。
介護保険料率も健康保険組合などにより違うのですが、
全国健康保険協会の場合は、全国一律1.58%を労使折半です。
雇用保険料
雇用保険料は毎月の給与総額×保険料率で計算されます
(給与総額には通勤手当や残業代も含みます)。
保険料率は以下の通り業種によって違います。
一般の事業は、労働者0.5%、事業主0.85%
農林水産、清酒製造の事業は、労働者0.6%、事業主0.95%
建設の事業は、労働者0.6%、事業主1.05%
例えば、一般の事業を行う会社に勤め月給総額200,000円の人の
給与から引かれる本人負担額は、1,000円です。
労災保険料は全額事業主負担で、本人負担はありません。