人気ブログランキング | 話題のタグを見る
Woman.excite Exciteホーム | Woman.excite | Garboトップ | Womanサイトマップ

2016年 11月 28日

不妊治療費を補償する保険が、今度は損保で開始

ファイナンシャルプランニング公式ブログ読者のみなさん、こんにちは!
ファイナンシャルプランナーの松原 季恵です。
今日が楽しくなるお金の情報をお伝えしています。
***************

9月に日本生命から不妊治療を保障する保険が出たとお伝えしましたが、11月1日、損害保険会社である東京海上日動火災からも販売が開始されました。

今回は企業や健康保険組合を契約者にして、その従業員の不妊治療費を補償する保険です。
会社の福利厚生の一つとして利用されるものですね。

主な内容は、
・補償の対象は体外受精や顕微授精の「特定不妊治療」とこれに伴う男性不妊治療
・補償対象者は従業員本人とその配偶者まで含む
・実際の自己負担額を補償
・「特定不妊治療」を行った方が切迫早産など妊娠に関わる特定疾病で30日以上入院したら、一時金を支払う
ニュースリリースからはこれくらいしかわかりませんでした。

また発売日同日の日経新聞によると、
・保険金の一人の上限は200万円
・保険料は一人あたり4千円~8千円、企業が支払う

今回の保険は、保険会社と企業が社内規定に基づき契約を交わすので、個々で条件が異なる可能性があります。
東京海上に問い合わせをしましたが、これ以上の情報は分かりませんでした。

しかし、おおよそこのような条件の補償があるとすれば、公的保障の不足部分を上手に補償したものになっていると言えます。
なぜなら、公的な助成金制度において、「治療開始43歳以上」「所得730万円以上」の方は対象外と定められているからです。
不妊治療を行う人の中で、キャリアを重視して婚期や妊活時期が遅れたという人は少なくありません。
そのため、キャリア重視で収入が高い方の場合、この助成金制度では対象外になってしまいます。

一方、今回の民間保険では、年齢制限や所得制限を原則定めていません。
公的な助成金を受けられずにすべて自腹で賄うしかなかった人たちにとっては本当にありがたい制度になるはずです。
このような福利厚生を導入できるのはある程度の大企業に勤める、収入が比較的高い人たちがスタートになるでしょう。
そのような意味でも、適した人に適した商品が提供できる商品性になっています。

もちろん、入りたいと思っても個人で入れない商品ですし(上手に逆選択のリスクを解決しているとも言える)、社員の収入が高くてもこのような保険の導入が検討されない企業もあるでしょう。
全ての必要とする人に環境が整うわけではありませんが、一つの希望が増えたと捉えています。

心配なのは、このような保険(福利厚生)ができたことで逆に妊活が遅れてしまうことです。
保険にはモラルハザードというリスクがあって、保険に加入することで注意を怠ってかえって保険事故が増える危険があるんです。
不妊治療で必ず言われるのは「加齢は妊娠率に影響を及ぼす」ということ。
時間は保険では補うことはできないものです。

保険は万が一に備えるもの。人生の選択の判断基準にしてはいけない。
だれとどう過ごしていきたいかを考えることが大事なのではないでしょうか。

不妊治療費を補償する保険が、今度は損保で開始_a0112619_14195960.png



ファイナンシャルプランナー
松原 季恵(まつばら きえ)

by lifeplaning | 2016-11-28 00:00 | 松原 季恵
Copyright c 1997-2009 Excite Japan Co., Ltd. All Rights Reserved.