2010年 03月 09日
わが家の暮らしを守るためにどうしたらいいの?①
ファイナンシャルプランナーの瀬尾由美子です。
2週にわたって消費者物価指数と勤労者の所得、つまり家計の支出と収入についてお話してきました。
皆さんの中には、収入は大幅に減ってきたのに、物価も下がってはいるけれど下げ幅が小さい状況で、いったい自分たちはどうしたらいいだろうかとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
実は私もそうでした。わが家の場合は、マイホーム取得がきっかけだったのですが、自分たちの暮らしをまもるためになんとかしないといけないと必要に迫られる状況がありました。
それは、6年目から返済金額が大幅にアップするという住宅ローンの利用です。
当時の住宅金融公庫の住宅ローンで、「ゆとり返済」といわれる返済方法がありました。
これは、当初5年間の返済金額を抑えておいて、6年目からはそれまでの返済金額の約1.5~2倍に増えて返済しなければならないというものでした。
住宅メーカーのセールスの方から提示された資金計画が、この「ゆとり返済」だったのです。
今考えると怖くなるようなことですが、当時としてはバブルがはじけて景気が悪くなり始めていたので、景気対策のために考えられた手法です。
今もそうですが、住宅建築や購入は多額の資金が動きます。
また、マイホーム購入すれば、家電や家具の買い替え需要などもありますので、「物が売れる」という経済波及効果があるのです。
そのため景気対策として、この「ゆとり返済」という手法が導入されたのです。
なぜこんな返済方法を利用したのかと言うと、当初の返済金額を少なくすることで、借り入れできる金額を増やすことができたからです。
今から考えると、「夢のマイホーム」だからちょっと背伸びをしてしまったのでしょう・・。
インフレが続き、収入も増えていけば問題なかったのかもしれません。
「インフレ」になれば物の値段が上がって、お金の価値が下がります。
ということは、借金の価値(負担感)も下がるのです。
借りた当時は夫の給料も毎年上がっていたし、「6年目から返済金額が1.7倍(今考えると恐ろしいことですが!)になっても、なんとか返済していけるんじゃないの・・・。」
と簡単に考えていたのです。
実は私、独身時代は銀行に勤めていました。
結婚しても1年間は共働きをしていたのですが、妊娠6ヵ月でめでたく(?)退職して子育てに専念することにしました。
銀行に勤めていた間は、ほとんどの融資係として、企業相手の貸付や住宅ローンの貸付およびご返済の案内を担当していました。
その中で、たとえば住宅ローンの返済が滞っている方たちへ、督促のご案内もしていました。
若かった私は、督促の電話をしながら、「マイホームって大きな買い物なのに、なんで前もって充分な計画をしていなかったんだろう?」と思っていました。
ところが、立場が変わってマイホームを購入したいと考えたときは、「なんとか返済していけるんじゃないの・・・」と希望的観測で購入に踏み切ったのです。
また、当時パートとして働いていた私はこうも考えました。
「いざとなったら、私がフルタイムで働ければいいじゃないの!」と。
でも、せっかく手に入れたマイホームを守るために、一生懸命頑張っていた私はいくつかの大きな誤算に気づきました。
どんな誤算かって?
それについては来週お話いたしますので、楽しみに待っていてくださいね・・・。