2012年 08月 14日
相続のお話は誰のお話?その2
ファイナンシャルプランナーのキムラミキです。
前回、以下のようなケースの相続について、考えていました。
【事例】
父親Aは既に他界し、母親B(他界した父にとっては妻)が亡くなり、
子ども二人(CとD)が法定相続人であるケース。
遺産は自宅の土地建物(2000万円)と、400万円の預貯金。
前回もお話したとおり、民法の法定相続分の考え方に基づけば、
子どもはそれぞれ1200万円ずつ、相続できる計算になります。
このケースに、例えば、以下のような事情が加わったら、どうでしょう。
子どもCは妻子と、遺産である自宅に母Bの介護のため同居していた一方、
子どもDは東京で結婚し、住宅ローンを組んで、
マイホームを建てて妻子と暮らしていた…といった具合。
子どもCとしては、母Bを介護して、看取ったのだから、
生活の拠点である自宅を、当然相続できると思っているかもしれませんし、
子どもDとしては、住宅ローンや今後の子どもの教育費にお金が必要だから、
法定相続分通り、1200万円相続したいと考えるかもしれません。
平成24年8月現在、基礎控除は5000万円+1000万円×法定相続人の数ですから、
今回のケースの場合、基礎控除は7000万円となり、相続税の課税対象とはなりません。
しかし、税金がかからないからといって、
先ほど述べたように、各相続人の事情や心境によっては
民法で定めるように、竹を割ったようにスッパリ解決するとは限らないのです。
遺産に、単純に分割できないものがある場合は、なおさらのことです。
「生前に相続の事を考える」だなんて、縁起でもないッ!」考える方も少なくないでしょう。
でも、今回の記事で、少しでも「生前に相続の事を考える」ことの重要性に
気づいてもらうことができたら、嬉しく思います。
遺された人に、無用なトラブルが生じませんように!