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2015年 04月 06日

年金額、増えたようで実は減っている話

ライフプランニング公式ブログ読者の皆さん、こんにちは!
マイアドバイザー®jp登録ファイナンシャルプランナーの田中尚実です。

平成26年度の老齢基礎年金の満額は、1ヶ月あたり64,400円でした。
これが、今年の4月からは65,008円となります。
金額的には若干増えていますが、実質的には減っています。

どういうことか?

年金額というのは物価や賃金の伸びと連動するようになっています。
平成26年の物価変動率は2.7%、名目手取り賃金変動率は2.3%。
それに比べて、年金は0.9%上がっただけなので、実質的な価値は
目減りしているのです。

それには2つ理由があります。

・過去の物価下落時に下げなかった分を調整している

平成12年度から14年度にかけて物価が下がっていたにもかかわらず、
それに合わせて年金額を下げることをせず、据え置かれていました。
このことにより、年金額は本来よりも高い水準(特例水準)になっており、
これを徐々に解消することが平成25年から行われています。
今年の4月分から0.5%下げることで、高めになっていた水準は
ようやく解消されます。

・マクロ経済スライドが発動となった

我が国の公的年金制度は、世代間扶養の仕組みをとっており、
現役世代が納めている保険料から、いま受け取っている方々の
年金が支払われています。
もちろん、税金やこれまでの積立金も投入されていますが、
年金を受け取っている方々が長生きし、逆に年金制度を支える働き手が
減っていくと、保険料負担はどんどん大きくなってしまいます。
そこで、保険料収入の上限水準を定め、その範囲内で給付を行おうと、
現役世代の人数の変化と平均余命の伸びを勘案して給付水準を調整する
仕組みが導入されました。これをマクロ経済スライドといいます。
これがこの4月に初めて発動されます。この調整率は▲0.9%です。


今年4月からの老齢基礎年金額は、名目手取り賃金変動率、特例水準の解消、
マクロ経済スライドによる調整を合わせ、0.9%の引き上げと決まりました。
by lifeplaning | 2015-04-06 18:03 | 田中 尚実
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