2009年 09月 14日
BRICSにI(インドネシア)が加わってBRIICSになる?
ファイナンシャルプランナーの大山潤です。
米・欧・日本の経済が足踏みする中で、中国・インドをはじめとするアジアの国々への注目度が高まっています。
そのような中で、Economist誌はインドネシアに関する「A golden chance」という特集記事を組んでいます。
また同時期にFT誌もインドネシアに関する記事を書いていました(こちらはJBpress(日本語)で読むことができます)。
その注目の度合いは、成長著しいBRIC(ブラジル・ロシア・インド・中国)に「I(インドネシア)」を加えてはどうかと言われていることからも伺えます。
記事中では、あえてS(南アフリカ)を除外してありました。
「BRIC」ブリックは「BRIIC」ブリークと読んでいいのでしょうか?
インドネシアの抱えるイメージの問題
過去、インドネシアは、国内の無政府状態、急増するイスラム過激派、ボートピープル(難民)、多発する海賊行為によって、隣国からも良い印象を持たれていませんでした。
独裁者として名高いスハルト政権下では、泥棒政治(国の資源・財源を権力者が私物化する政治)がまかり通っており、1998年の政権失脚時にはインドネシアの経済は崩壊します。
200以上の死者を出した2002年のバリ島での爆破事件、2004年のスマトラ地域を襲った津波、最近ではジャワ島を襲った地震と悪いニュースが続きます。
さらにインドネシアを支持する人々は、
「世界最多のイスラム教徒を抱えながら、世界で3番目に大きな民主主義国で、4番目に人口の多い国であるインドネシアは、実はかなりうまくいっているんだよ・・・」
という事を、外国の人にはなかなか理解してもらえないだろうと心配しているようです。
それでもインドネシアに注目が集まっているのは
○1997‐98年のアジア危機とは対照的に、昨年の金融危機をうまく乗り越え、今年GDP成長率4%が予想されていること。
○ユドヨノ大統領下での民主化の進展と政界でも有数の汚職が改善しつつあること。
(彼のクリーンなイメージとして、息子の妻の父親を汚職の罪で投獄したエピソードが紹介されています。)
○人口の数、そして国内の人口構成。
(若い人が多くかつ出生率が低いことが全人口に占める労働人口の割合の高さに繋がっている。)
○不十分なインフラと公共サービスに財源を投入するための、政府の規制がなくなったこと。
などがあげられています。
まだまだ中国やインドに比べれば小さい規模とは言え、
いよいよBRICSに肩を並べるかも、という程の期待を集めるているインドネシア、
そしてBRIICあるいはBRIICSとなればその中の3カ国を占めることになるアジアの強さに、
ワクワク感と驚きを感じています。